教育資金の一括贈与~やるなら3月中がお得?~
相続対策として、祖父母から孫等に教育資金を1,500万円まで一括で贈与する制度を利用するというのがあります。
この教育資金の一括贈与の制度ですが、過度な節税目的に利用されていることを是正するため、2021年度の税制改正で規制が強化されることになりました。
この規制強化の対象は、2021年4月以降の契約に関するものからになります。
つまり、規制強化する前の制度を利用出来るのは今月末までということになります。
実際には銀行等で一定の手続きが必要なので、規制強化前の制度を利用するには今すぐにお申し込み等の手続きをする必要があります。
規制強化の内容
今回の規制で新たに加わった内容は大きく2つあります。
- 贈与者死亡時に一括で贈与された教育資金のうち、残額がある場合に、その残額は相続税の対象に含まれてしまう。(今までは、贈与者死亡の3年以内の契約であった場合に限り、相続税の対象にすることとなっていました。)
- 贈与者死亡時に、孫やひ孫に教育資金の残りの残額がある場合に、2割加算の対象となってしまう。
(今までは、2割加算の適用外とされていました。2割加算とは、収めるべき相続税額が通常の1.2倍になってしまう重税処置です。)
改正後でも教育資金の一括贈与はやるべき?
そもそも、教育資金の孫等への援助は「必要な都度直接これらに充てる」目的で贈与されたものである限り、もともと非課税になります。
なので、教育資金の一括贈与の非課税特例が活用されていた意義は、「相続財産をまとめて減らせる」ということに尽きるのかと思います。
そんななか、教育資金の残額に課税されない「受贈者が23際未満や在学中であるとき等」以外の場合には、契約時期に関係なく、残額に課税がされてしまう今回の改正後では当制度を利用する意義はますます少なくなっていくのではと個人的に思います。
もし、当制度を利用して、相続財産を複数の孫等に一括贈与しておきたいと考えているのでしたら、今すぐにでも検討されるのがよろしいのではないでしょうか。